古代人の生活へタイムスリップ:秋の冷え込みから身を守る四つの知恵
「古代人の生活へタイムスリップ」シリーズでは、中国五千年の知恵袋から、現代にも実践できるアイデアをご紹介します。
古代中国思想によると、万物は「陰」と「陽」の相反する二極に分類できる。寒は「陰」、熱は「陽」であり、この二極は常に相互に作用する。四季で言えば、夏は暑く、冬は寒い。秋はこの間にあり、暑さから寒さへの移行期である。
秋は、夏より涼しく冬より暖かいという概念とは少し異なる。秋は、衰えまいとあがく夏と、それに取って代わろうとする冬がもみ合う期間だ。そのため、ただ気温が低くなるのではなく、暖かいかと思うと突然寒気が訪れ、そしてまた暖かくなったりする。身体もこのせめぎ合いに影響を受ける。夏は外気を浴びて楽しむ時期だが、冬は冬眠の時期だ。
秋を過ごす古代人の知恵を四つ紹介しよう。
1. 衣類の選択
暖かい秋の日は、半袖半ズボンで外を走り回りたくなる。だが、もう夏ではない。その日は、「夏」の要素が「冬」の要素より強いだけだ。表面下では冬の寒気が潜んでいる。そのため、喉の痛みや風邪などの影響を受けやすい。夏と冬の攻防の中でも、予防は可能だ。
戦場に挑むには、適切な鎧(よろい)と物資の供給が必要だ。まず、適切な衣類をまとうこと。暖かい日でも半ズボンにはならず、薄手のズボンと長袖のシャツを着用する。同時に、薄手のジャケットも持ち歩き、秘密の鎧の一部としてスカーフを忘れずに。外からの病原菌は、首から身体に入ると言われる。暖かい日でも、外出時にはスカーフかフードで首を守ろう。
秋に通じる内臓は、肺。呼吸する過程で直接外界とつながる肺は、特殊な存在だ。秋は乾燥する季節でもあり、肺の働きに負担がかかる。そのため、秋風を吸い込む時期は、特に注意が必要だ。
2. 旬のものを食べる
秋は収穫の季節。寒い冬に備えて、身体には十分な栄養が必要だ。病原菌の侵入を防ぐ強さを補うには、旬のものを食することだ。秋の食材として、カボチャをお勧めする。
3. 身体を温める食材を選ぶ
秋には身体を温める食材を摂り入れたい。例えば生姜、ニンニク、シナモンなどは身体に温もりをもたらすので、秋の食事に加えたい食材だ。人参や大根などの根菜類、牛肉やラムなどの赤身も食したい。調理したものは温かいうちに食べるよう心がけたい。
4. 蒸した洋ナシ
蒸した洋ナシは、秋に適した一品だ。洋ナシの芯を取り除き、そこにハチミツを流し込んで蒸す。洋ナシを食すだけでなく、蒸すのに利用した水分も飲用できる。乾燥しがちな秋には喉を潤す飲み物としても、また肺の強化にも一役買ってくれる。
これらの秘訣を実践することで楽しく秋を過ごし、願わくば、咳や喉の痛みを避けたいものだ。同時に、冬の寒気にも耐え得るよう、身体を調整して欲しい。
本文は神韻芸術団の承認を得て発行された記事ではありません。これらの意見は一般的な関心事として提示されており、医療のガイドラインではありません。
ジャレド・マドセン
司会者