一番好きな踊り、『花の仙女』
2012年の公演シーズンが終わった今も、私の一番好きな踊りは『花の仙女』だ。振り付けを覚え始めた瞬間から最後の本番で踊ったときのことまで、この踊りの何もかもに夢中になっている。
素晴らしい衣装には最初から心を奪われたが、ツアーが始まると踊りそのものがどんどん好きになっていった。
舞台いっぱいの17人の女性ダンサーが、長い袖のついた明るい色の衣装を身にまとっている。この袖は中国の伝統的なドレスによくあるような垂れ下がった袖ではない。ケープのようなものを腕につける「蝶の袖」と呼ばれるものだ。身に着けるのが難しい衣装だ。
ドレスの縁と袖にはピンクの花柄模様。胸部の飾りは深緑色と紺色で銀の刺繍がほどこされており、ドレスの柔らかい色調と対比している。ウエストには金のベルトが巻かれ、ピンクの飾り帯が垂れている。
頭飾りは「お菓子に飾るさくらんぼ」のようなもので、ダンサーの衣装には欠かせない。『花の仙女』では牡丹のようなピンク色の花の飾りを着ける。さらに頭飾りから垂れた銀のビーズが2本、額にかかっている。
幕が開くと厚い雲の広がる神秘的な光景が現れ、遠くには山々が見える。最初、雲の中に見える仙女は数人だが、突然、美しいピンク色の衣装を身につけたたくさんの乙女たちが雲海の中から現れる。ダンスの間、私は天高く雲の上に浮かんでいるような気分になる。
ダンサーは身を翻しながら空を滑るように移動し、花を形づくっていく。演目の終わりにはバックスクリーンに美しい天上の花が映しだされる。
神韻ではこのダンスで初めて「蝶の袖」が使われた。雲に浮かび、流れ、飛んでいるような効果が出る。
毎年新しいダンスが加えられるので、来シーズンはどんなダンスや衣装に夢中になれるか楽しみだ。
ブラゼリン・チャウ
ダンサー
2012年6月1日