古代人の生活へタイムスリップ:冬の養生法
「古代人の生活へタイムスリップ」シリーズでは、中国五千年の智慧袋から現代にも実践できるアイデアを紹介します。
古代中国では宇宙の万事万物は、陰と陽の相反する二極に分けられると考えられていました。この陰陽学説は、身体、食物、四季にまで及びます。
四季が刻々と変わるように、陰と陽も常に進化し変容します。このような観点から、最適な身体バランスを保つには、陰陽の均衡を見出す必要があります。
冬は陰の季節。寒い。暗い。家にこもって物を保存する時期でもあります(動物は冬眠し、人間も家にいる時間が長くなります)。中医学では、冬は腎臓と関連づけられています。腎臓は身体のエネルギーを蓄える機能を持っているからでしょう。
冬は貯蔵の時期で、春の息吹に備えてエネルギーを蓄える期間です。古代中国の医学から、冬を健康に乗り越える方法を学び取ることができます。古代人の知恵袋を下記に挙げてみました。
古代人の知恵袋 その1:良く寝る
睡眠を充分に取り、ストレスを減らすことは、冬を乗り越える上でとても重要です。日照時間が短いので、長く寝ることは自然の摂理です。冬は食物が不足するので、エネルギーを保存するために動物は冬眠します。冬は身体のエネルギーを蓄える必要があるので、眠ることでエネルギーの消費を抑えるようにしています。瞑想をすることも、日々のストレスを減らし、エネルギーを蓄える優れた方法です。
古代人の知恵袋 その2:煮込み汁
冬場はあまり活動しないので、太らないためにも食を減らす必要があります。生の冷たい食事は避け、暖かく調理されたものを食べましょう。煮込み料理は、身体を温め消化にも良く、身体のエネルギーを消耗しないので、冬には欠かせないメニューです。
古代人の知恵袋 その3:根菜、肉類、豆類
根菜や肉類は身体を温めるので、煮込み料理に最適。サツマイモは、他の根菜類に比べて身体を温める作用があるので、冬には是非食したいものです。牛肉、鶏肉、羊肉も食卓に優れた食材です。腎臓の形に似ているインゲン豆も、腎臓を強化する働きがあります。
古代人の知恵袋 その4:汗をかくべきときと、かいてはいけないとき
冬は風邪を引きやすい時期です。簡単なことをひとつ覚えておくだけで、健康が保てます。中医学によると、冬場は発汗を避けなければなりません。発汗すると毛穴が開き、細菌が身体に侵入しやすいからです。一度体内に入った細菌は、身体の表面を荒廃し始め、発熱、頭痛という症状をもたらし、さらに体内の奥深くへと侵入します。表面化しているときは、細菌を排出する方法をとらなければなりません。皮肉なことに、汗をかくことが一番の方法なのです。風邪の引き始めは、たくさん着込んで寝床に入り、暖かいお湯を飲んで、毛布を掛けて発汗させます。毛布をとったりすると、せっかく細菌を押し出しているに、また別の細菌がさらに侵入してくることになるので、体をしっかり包んでください。
このような簡単なことを実践するだけで越冬が楽になり、春に向けてエネルギーが蓄えられるようになります。また春の訪れが近づくころに「古代人の生活へタイムスリップ」シリーズを出す予定です。
本文は神韻芸術団の承認を得て発行された記事ではありません。これらの意見は一般的な関心事として提示されており、医療のガイドラインではありません。
ジャレド・マドセン
司会者
2014年12月12日