環境を気遣う神韻
ニューヨークの本拠地でも、五大陸ツアーでも、神韻は常にエコを心がけます。
世界一流の中国古典舞踊と音楽の舞台芸術団として、神韻芸術団は10年目を迎えます。現在、各90名から構成される四つの芸術団が、毎年世界100都市以上を巡回しています。そして、各芸術団の飛行機での移動は原則として一往復のみとし、温室効果ガス排出量の削減に努めています。
エコに心がける神韻は、従来の大掛かりな舞台装置をプロジェクター技術に置き換えました。このためすべての舞台装置は軽量で、解体・組立てを可能としています。水やエネルギー源を節約し、本部でもツアー先でもゴミをゼロにする方針を、芸術団員すべてに徹底して伝えています。
すべての団員が個人的にエコに高い認識を抱き、制作全体にも及んでいます。
エコに徹したバックスクリーン
「舞台装置と背景にプロジェクションのみを使用するので、軽量で移動できます。舞台設置したその日に公演できるのです」と神韻のプロダクション・マネージャーであるマーク・アボットは語っています。
従来の舞台装置のように何台ものトラックで運ぶことなく、舞台に必要なすべてを一台のトラックで移動します。世界ツアーのための貨物移動が生み出す温室効果ガスの排出量を、これで神韻はかなり抑制しています。トラック一台で公演日に到着する神韻のスケジュールは、各地の劇場担当者を驚かせています。
迅速な搬入・搬出も、劇場の光熱費などのエネルギー使用量を大幅に削減します。また、大掛かりな装置がないので、わずか数ヶ月の公演のために消費される資源が節約されています。
「プロジェクターを利用することで失うものはありません。動画機能を備えた舞台背景は、従来の装置以上に効果的で、観客に臨場感をもたらします」
この舞台背景のデジタル化は、従来の装置が抱えるもう一つの問題を克服しました。場面から場面、演目から演目への移行を迅速にしたのです。天上の仙境から海底の宮殿、雪帽子をかぶった山々から果てしなく青々とした草原へと、神韻の最新技術を駆使した映像技術は、ダンサーや観客を瞬間移動のように別の時間と空間に即座に移動させます。
用途にあわせて作られた容器にコンパクトに詰める
400着以上の衣装、アクセサリー、小道具、舞台装置、フルオーケストラの楽器などをどうやったら一つにまとめることができるのでしょう?
毎年、神韻は演目内容を一新させます。制作の期間、デザイナーたちはすべてを可能な限り軽量で持ち運びしやすいように考案します。効率よく貨物を移動させるため、出発前にすべてのものの重さや寸法が計られ、特別にあつらえられた容器や荷物入れに納められます。
劇場の搬入口にトラックが到着すると、劇場スタッフは「これ一台だけ? 通常は10台以上ですよ」と驚きます。積み荷を降ろし始めると、次に「この箱は本当に軽いですね」と言われるのが常です。そして最後に「すべてがここに入るなんで信じられません」というコメントをもらいます。
温室効果ガスを抑制しながらの移動
「ジュリーの自転車(Julie’s Bicycle)」という、ロンドンを拠点とし、世界の芸術団による環境への悪影響を削減しようとするNPOによると、海外ツアーに伴う温室効果ガスの最大の排出源は飛行機での移動です。
神韻では地理的にツアー先を分けて、四つの芸術団が巡回します。海洋をわたる時は空路ですが、大陸内は陸路での移動です。欧州ではフェリーを使うこともあります。こうして温室効果ガス排出量は大幅に削減されています。
神韻ツアーでは、舞台設定や食事の賄いなどに、現地の劇場のスタッフなどを雇います。こうすることで、随行員の数を最低限に抑えます。
常にエコを心がけて
神韻の環境保護の姿勢はシーズンオフでも変わりません。NPO「ジュリーの自転車」の調査によると、ツアーのあとの舞台装置やデザインの廃棄は業界では通常のことだと判明しています。温室効果ガスの排出量を高め、制作予算を無駄にしています。
神韻芸術団が本拠地に戻ると、小道具、衣装、設備はすべて、別の用途を含む再利用のために系統的に保存されます。埋め立て地に廃棄されることがないので、メタンガスの排出もありません。
保存の前に、衣装を手で洗い、乾します。ツアーの間もドライクリーニングや洗濯機は使わず、必要に応じてスチームで洗浄します。数千枚の衣装が各シーズンで400回以上着用されます。洗濯機を利用しないことで、エネルギー、洗剤、水の大幅な節約になっています。