プリンシパル・ダンサー、小林健司
日本生まれのプリンシパル・ダンサーの一人、小林健司を紹介するのに最適な時期かと思います。
小林健司
生い立ち:小林健司の神韻入団は2010年。ツアーでお気に入りの都市は、ふるさとの東京だ。東京は世界でも最も人口密度の高い大都市圏だが、家に帰った安堵感から、自分を落ち着かせるという。
2016年、新唐人テレビ主催の全世界中国古典舞踊大会(成人男子部門)で優勝。神韻の舞台では、面白い人物、特に『西遊記』の猪八戒を演じることがお気に入り。
小林健司の大好きな食べ物は、つけ麺、豚骨ラーメン、魚介ラーメン、神戸牛か牛タンの焼き肉。ダンスや訓練のときは、体に良いものをたくさん含んでいるバナナをたくさん食べる。
ツアーでは時間があればカメラを片手に探索。「幸せな気持ちになるんです」。この「富士山」のような見事な実写は ShenYun.com のフォトギャラリーに定期的に掲載されている。
最近の主な役柄:『妖怪を退治する孫悟空』(2018)、『現代の寺院』(2018)、『火焰山』(2017)
「猪八戒」は活発なのに怠慢です。そこが矛盾していて面白い。正直言って、猪八戒が元気になるのは、美味しい食べ物と、美しい女性を目にしたとき。月の女神、嫦娥が良い例です。大食いと情欲という彼の欠点は、原作でも神韻の舞台でもユーモラスに描かれます。それからもう一つ、猪八戒が元気になるときがあります。自己顕示するときです。でも、いつも、みじめに終わる。少なくとも僕の演じた演目では全てそうでした。かわいそう。美味しい食べ物をうまく手に入れたこともない。最後には孫悟空に取られたり、悪霊の化身だったりする。そして猪八戒はいつも孫悟空(これは楽しいジョークとしてです)か、邪霊に騙されます。
猪八戒は本当に怠慢です。休む機会があれば、最初に腰を下ろし、寝てしまう。猪八戒には休憩が必要です。でも、怪物や邪霊が現れたら、最初に逃げます。彼のモットーは「勝てる見込みがないなら、走って逃げる」こと。
そんな間抜けな猪八戒だけど、演じることは挑戦なんです。アジアで猪八戒を知らない者はいません。皆それぞれ、猪八戒のイメージがあります。孫悟空も同様です。ですから、全ての人のイメージを満たす完璧な猪八戒を演じることは実に難しい。猪八戒を演じるとき、一つ一つの動き、特に歩き方で、どれほど現実的に演じられるかが決まります。
お腹を突き出してよたよた歩きすることを、猪八戒の特徴としました。また彼の癖も想像してみました。食べ方、飲み方、幸せな気持ちのときと悲しい気持ちのときの様子など。日常生活で猪八戒の感じ方を探してみたりするときもあります。舞台の外で猪八戒になれれば、舞台で演じやすくなるからです。こうすることで、演じるのではなく自分自身が猪八戒になり、『西遊記』の一部に成り切ります。特に今、孫悟空役と馴れ合いの仲になっているので、馴染みのある猪八戒のキャラには自然に自分を投影できます。
数年この役を演じてきました。ちょっとやりすぎたのか、癖になったのか、時々、普段の生活の中で無意識に猪八戒のように歩いたりふるまったりします。他の役柄を演じているときも出てきてしまいます。振付師も他のダンサーも、僕のダンスに猪八戒が見え隠れするときがあると言っています。自分の猪八戒の部分は、舞台で猪八戒になるときだけにとっておかなければ、と自分に言い聞かせています。
小林健司による過去の日本ツアーの写真は、「今週の神韻フォト:日本特集」を御覧ください。