天界からのインスピレーションから生まれた伝統的な文様…
鳳凰は天界の鳥です。『山海経』『淮南子』『庄子』で「鳳凰」を詳しく描写しています。太平の世にたまにしか姿を現さない鳳凰は、梧桐にしか棲まず、醴泉の水しか飲まず、気高く美しい神鳥だと伝えられてきました。
商王朝期(紀元前1600~1046年)以降の様々な遺物に、鳳凰の様々な姿が見受けられます。著名なものとして、三千年以上前に用いられた殷王武丁の妻・婦好(ふこう)の副葬品―鳳凰をかたどった玉器―が挙げられます。
それ以降の各王朝の芸術や工芸品に益々精巧で華やかな鳳凰の姿が見られるようになります。多くあるのは飛鳳(飛ぶ鳳凰)、立鳳(枝に留まる鳳凰)、団鳳(群れをなす鳳凰)、鸞鳳(らんぽう:つがいの鳳凰)などです。龍と一緒の鳳凰は、皇后を意味します。
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