ジェームズ・ファン
公演後のレセプションによく参加するが、演奏家として「神韻のオーケストラは、どんなところが他と違うのですか」という質問を受けることが多い。私はいつも、神韻交響楽団が東西の伝統音楽の最高のものをどのように融合しているかを説明する。ところが、先週のリハーサルで同じ質問を自分自身に問いかけるきっかけに出くわした。そして、より深い回答が見いだせたようだ。オーケストラでの二胡のリハーサルを聞いていた時のことだった。二胡奏者が心持ち半音下げて演奏することを興味深く思った。西洋のクラシック音楽の訓練を受けたバイオリニストの私にとって、音程は常に決定的なもの。その時リハーサルしていた曲では、バイオリンが奏でた楽句を二胡がすぐ後に繰り返すのだが、バイオリンが完璧な音調で演奏した後に、二胡はわずかに音程を下げて応答する。この奇妙な組み合わせは不思議としっくりくる。そして、この差異には東西音楽の歴史的変遷が働いていることを気付かされた。
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