東洋と西洋の融合
神韻公演のユニークな点として、観客の方々が印象づけられるのは、東洋と西洋の最高の部分を融合したオーケストラの音色でしょう。荘厳なエネルギーを醸し出すクラシックに中国の伝統楽器を合わせることで、数千年におよぶ中国文化の独自の旋律が引き出されています。
全く異質な楽器を、どうやってここまで調和できるのでしょうか?
神韻結成時より制作に励み、数十曲を創作してきた神韻の作曲家に尋ねました。
質問:西洋と東洋の楽器の特徴をどのように活かされているのですか?
神韻のダンスは中国伝統舞踊、民族舞踊を基盤としており、音楽はダンスの動きに合わせて作曲されています。様々なダンスの演目に合わせて作曲する際、特質や持ち味を最高に映し出す方法を十分に査定する必要があります。民族や王朝の特徴の適確な表現手段として、二胡や琵琶のような伝統楽器に勝るものはありません。
東洋の楽器が主旋律を奏で、西洋の管弦楽器が伴奏するように曲は編集されています。言うまでもなく、クレッシェンドでは管弦楽器ならではの特質を引き出します。
質問:東洋の伝統楽器と西洋の伝統楽器には、どのような特徴の違いがありますか?
浄弦(ジン・シェン):東洋の伝統音楽は、他の伝統的な芸術形態と起源を共有しています。楽器を制作する過程や木材の資質など全てに、奥深い意味や象徴が豊かに織り込まれています。
琵琶を例にとると、3尺5寸の長さです。3は天地人を意味し、5は金・木・水・火・土の五行を象徴します。4本の弦は四季を表します。
また、笛と琵琶はよく一緒に奏されます。龍(笛)と鳳凰(琵琶)を組み合わせ、吉祥の象徴としているのです。
楽器の区分方法も異なります。西洋の楽器は、どのように演奏されるかを基に、弦楽器、打楽器、吹奏楽器、木管楽器などに区分されます。東洋の楽器は、音質と素材を基に区分されています。
古代中国の楽器は、金属、石、土、革、絹、木、ひょうたん、竹の8つのグループに区分していました。「八音」と呼ばれ、楽器区分では最古のものに数えられます。「金属」には16個の青銅の鐘で構成された古代楽器の編鐘(へんしょう)があり、「革」には太鼓が挙げられます。「絹」には琴のようにもともと絹を弦にした楽器が含まれます。「竹」には様々な笛が区分されます。
東洋の楽器の音質は古代思想と密接に絡み合っています。東洋の伝統文化では全てのものに魂があり、曲の一つ一つの音も例外ではありません。
東洋の音楽、舞踊が同じ起源であることは、音符と音符の間や、ダンスの動作の間に一呼吸置くリズムから見受けられます。この「一呼吸」には理由があるのです。二胡の滑音や琵琶の押し込みなど、一つの音から別の音に滑らかに移るソフトなポルタメント効果を生み出しています。東洋音楽の真髄に触れている部分と言えましょう。
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