旧正月のしきたり
赤いお年玉袋、床掃きなどなど、伝統的な風習がたくさんありますが、魚は絶対にひっくりかえさないで!
旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)は、期間が15日間と長いだけでなく、最も大切なお祝いです。清掃し、祝い、新しい服を着て、新しい始まりを迎えます。旧暦なので、その年によって旧正月の日は1月か2月になります。
今年の旧正月は1月22日。新年の伝統的なしきたりを重んじ、祖先だけでなく神々を敬う時期でもあります。ご自分のご家庭でも試せるしきたりの一部をご紹介しましょう。
しきたり1:大掃除
新しい年を迎えるにあたって、新年に至るまでの9日間は家の清掃にあてられます。ほうきはホコリだけでなく悪運も外に出します。部屋の隅から中央に向かって掃いていきます。黒い扉から悪運(ホコリ)を外へ捨てます。そして新年を迎えたらほうきとチリトリには触れないようにします。家にやってきた好運がそのまま留まり、間違えて外に掃き出してしまわないように...ですから新年に掃除をしてはいけません。
しきたり2:赤いお年玉袋
既婚されているかお孫さんのいる方は、お財布の紐を緩める時期です。日本と同様のお年玉ですが、違いは、未婚者(ほとんどが子供ですが)が対象で、お年玉袋が赤いことです。子供たちが迎える年に良いことがあり、同時に邪霊から守られるようにとの願いが込められています。枕の下に袋を置いて七晩寝てから袋を開けると幸運が最大になるとも...。
金額はいくらでもいいというわけではありません。偶数であることが重要です。特に末広がりの「八」に関わる数字が好まれます。中国語では「八」は「発」(財をなす)と同じ発音だからです。奇数の金額は、葬式の時に用いられますので、絶対に避けて下さい。
しきたり3:幸を呼ぶ言葉を飾り、口にする
中国の伝統的な風習では、今後一年の幸を願う言葉を窓やドアに掛けます。この時期、赤い紙に金や黒の文字が書かれたものをご覧になった方もいらっしゃるかと思います。ただの飾りではなく、ポジティブなメッセージが込められているのです。
よく使われる文字は「春」です。旧正月は冬ですが、春は間近ですので旧正月は「春節」と呼ばれます。福、喜、禄、寿、などの漢字も人気があります。
また、「万事如意」(あなたのすべての願い事が叶いますように)などの言葉を家族や友人に語りかけます。
しきたり4:ご馳走を食べる ー でも魚はひっくりかえさない
クリスマスや感謝祭同様、旧正月の前夜は家族の再会を祝ってご馳走が振る舞われます。地域によって正月料理は様々ですが、通常、魚が好まれます。「魚」と「余」(ゆとり)が同じ発音だからです。
魚料理は皿の上に盛られ、片側ずつ食べます。上半分を食べた後、中骨を取り除き下半分を食べます。魚をひっくり返すことはしません。ひっくり返したら、ゆとりがなくなってしまうか-
他の代表的な正月料理として、下記が挙げられます。
ー餃子: 特に中国北部では、金貨の形のように皮を伸ばします。
ーみかん:「橘」(ju)と「吉」(ji)の発音が似ているので好まれます。
ーメロンの種とひまわりの種: 生殖を象徴します
ー年糕(ニェン・ガオ): 中国東部で良く食べられる新年の餅。「年高」(一年成長する)と同じ読みなので、縁起物とされます。
新年の祝賀は、家族が集い、新たな年への希望を抱く時期です。ご家族や大切な方に電話を入れて、春節を一緒に祝いませんか?
春節のお慶びを申し上げます。
皆様の1年が、発、余、吉で満たされますように!