毎日のストレッチ ― 神韻ダンサーの場合…
ダンサーにとっても運動選手にとっても、筋トレ後のセンセーションはたまらない。筋肉を彫り込み、カロリーを燃焼させるセッションを終えたという満足感だ(ご褒美のアイスクリームは言うまでもない!)。汗にまみれてスタジオを出る時に意気が揚がっていて、数分余計にストレッチをしたりすることも…。ダンサーとしての柔軟性を持ち合わせていても、5分余計の開脚や後屈をするだけで、動きの幅や効果がぐんと上がる。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の後は、シャワーを浴びて着替えなければならないが、単なるストレッチは体だけでなく時間にも柔軟だ。ストレッチの良さは耳にされたことはあると思うが、ここでおさらいをしたい。
ストレッチは血流と自然のエンドルフィンを高める。チョコレートを食べたあとのような幸福感はストレス解消、頭脳明晰につながる!
ストレッチは「一時停止」ボタンを押すようなもの。心を落ち着かせ、体に良いことをしているという充足感をもたらす。
固くなった関節や筋肉をほぐすことは、関節炎の痛みを和らげ姿勢を正しくする。
柔軟性や動きの幅が高まると、日々の活動もより簡単に優雅にこなせるようになる。俊敏な動作や歩行で仕事に対しても自信が生まれる。
お茶を飲む代わりに、ストレッチ・タイムを試しては? 長期的にみて、時間の節約にもなり、お金もかからない。
ダンサーがウォームアップに使うストレッチをご紹介しよう。簡単に見えるし体操のクラスでやった覚えがあると思われるかもしれないが、軽くみてはいけない。筋肉を伸ばし、姿勢を正す上でとても有益だ。リビングルーム、オフィス、ホテルの自室など、どこででもできる。ベッドの上でもOK! 順番はない。身体の上から始めて下へと移動する方がより効果的だという研究結果がある。前書きはこのくらいにして、ストレッチを始めよう。
1. 肩のストレッチ
b. 胸から肩の高さの家具に肘か手首を置く。なければ壁でもよい。肘か手首を家具に置き、頭と上半身は床に向ける。頭はできるだけ肩より低く下げる。この状態を30秒、維持する。
十分ストレッチできないと感じる場合は、膝を曲げるとさらにプレッシャーがかかる。
c. このストレッチは姿勢を正すのに効果的。肩と胸を開くので背中が丸くならないようにする。
腕を真っ直ぐに伸ばし、背中の後ろで手と手を握る。手のひらは上に向ける。ゆっくりと前屈し、腕を床の方向に動かしていく。肩の張り・抵抗感があるが、自分のペースでできるだけ腕を下げていく。この姿勢を15秒維持。3回繰り返す。
2. サイド ツイスト
カウンターやテーブルなどしっかりした家具の横に平行に立つ。両手で家具を掴み、家具から離れるようにゆっくりと腰を回す。この姿勢を15秒維持。3回繰り返す。
3. シール(あざらし)ストレッチ
床にうつ伏せになる(腰の下にジャケットかクッションを置くのも一案)。手を両脇に置く。腕を伸ばして上半身を持ち上げる。腰が浮いてもOK。人によって様々なので、両手の位置を変えながら腰との距離を調整する。息は止めない。息を吐くともっと身体を反らすことができる。
上半身と頭を天井に向けてアーチ型に反らせる。この姿勢を20秒維持。3回繰り返す。息を吐くことを忘れずに。
4. 足と腰のストレッチ
片方の足をもう片方の足の前に出す。足の間隔は30~60センチくらい。両足は直線上に。前の足は前方に向け、後ろの足は横に向ける。足を抱くようにして身体を曲げる。片方の腕を床につけて転ばないようにする。この姿勢を15秒維持。3回繰り返す。反対側の足も同様にストレッチする。
b. 床に座り両足を伸ばす。両手を足の方に向けながら腕を前に伸ばして前屈。できる限り身体を足に近づけることが目標。膝は曲げないで、無理はせずにできる限り前に身体を曲げていく。この姿勢を20秒維持。3回繰り返す。
c. 世界中の体育のクラスで使われるポーズ。大腿部が外転し、内転筋群をストレッチ。
床に座り両足を合わせる(身体に近ければ近いほど良い)。手で足を包み込む。できる場合は肘で膝を押し下げるようにしながら、前方に身体を倒す。この姿勢を20秒維持。3回繰り返す。
ヒント:壁やソファーを背に座ってみては? テーブルやベッドの足を掴みながら前屈みするのも一案。
5. 足の運動
床に仰向けになり、片足を伸ばし、もう片方の足を曲げる。伸びている足のつま先が、天井を突き抜けるように尖っているというイメージで。10秒後、つま先がむこうずねにできるだけ近づくようなイメージで足首を曲げる。5秒維持。この足首の動きを3回繰り返す。その後、足首を時計回りに5回、逆時計回りに5回まわす。反対の足でも同じことを繰り返す。
結果はすぐには現れない。ストレッチングには時間と労力が必要だ。ここで重要なことは、自分の身体に優しいことをしようと取り組む姿勢。前向きな気持ちで繰り返すことで、効果が現れてくる。
さてどれだけ向上するだろうか? ストレッチの経過を写真に収めてはどうだろうか?
特に有益だったストレッチは? 他に知りたいストレッチは?
是非、下記にコメントを。
ダイアナ・タン(藤安娜)
神韻国際芸術団ダンサー
2019年2月9日