中秋節の伝説:月に住む木こり
中秋節は中国の祝日の中でも特に重要で、陰暦の8月15日、満月が一番明るく、丸い時期のお祝いです。家族が晩餐に集い、満月を楽しみながら、月餅を食べ、香り高いお茶をすすります。
中国の伝説として、月に住む嫦娥と玉兎の話は、多くの人に親しまれています。ひんやりとする秋の夜に、月餅をお腹いっぱい食べながら、興味深く月を眺めると、嫦娥と玉兎が住む月宮殿の影が浮かび上がってきます。
でも、月の住人は、嫦娥と玉兎だけではないことをご存じですか?
月の桂の木(モクセイ)は、金色に輝き、この上なく美しい香りの花を咲かせると言われます。その下で、一人の男が木を伐り倒そうと、桂の木を伐り続けています。なぜ、月でそんなことをしているのでしょうか?
この木こりは呉剛という名前で(日本では桂男として知られています)、仙術を学ぼうとしていました。ようやく学ぶ機会が与えられましたが、怠け者で、全身全霊で修めることはなく、多くの過ちを犯しました。このため、玉帝(中国民話に出てくる、天を司る大帝)を怒らせ、月に流刑されることとなります。
呉剛は月で、高さ1.5キロに及ぶ桂の木を見つけました。玉帝は、「この木を伐り倒したら、仙人になれる」と告げました。
呉剛はちょっと仕事をするだけで、仙人になれると思い、すぐに木を伐り始めました。斧を振り上げ、木に深く伐り込むのですが、また次の一振りをしようと斧を持ち上げている間に、伐り込みは自然になくなり、何もなかったかのように以前の状態に戻ってしまいました。
呉剛は一生懸命、木を伐りました。できるだけ早く伐り倒そうとしました。しかし、彼がどんなに伐っても、その度に木は奇跡のように治癒してしまうのです。
このため、呉剛は月宮殿の庭で、永遠に桂の木に伐り込みを入れ続けることとなりました。
唐、宗、明の時代には、中秋節の夜に桂の木から雨のように種が降り注ぐことが記録されています。この種は、呉剛の激しい切り込みの結果、月から降り落ちたと言われ、この種を撒くとわずか10日で高い桂の木に成長すると伝えられています。
この中秋節に、月餅を食べながらお月見をお楽しみください。巨大な桂の木が見えるかもしれません。運が良ければ、種を拾えるかもしれませんね。
ローラ・リー
ダンサー